今年も残すところ十日余りとなりました。
普段行わないところの掃除をしたり、今年のことに思いを巡らせておりますと、土星が山羊座入りして、30年前のことも色々思い出しました。
30年経つと、10代の子供が40代に、40代の働き盛りが70代の老人になっています。つまり、30年と言う時間は世代交代に要する時間でもあります。
約30年前、土星は海王星や天王星と重なり、キロンと向かい合いながら山羊座に入宮しました。その頃は、28年間続いたベルリンの壁が崩壊し、それに連鎖してソビエト連邦も崩壊しました。日本では、1989年に日経平均株価は史上最高値をつけて、その後、バブル崩壊に向かいました。そして、昭和天皇が崩御して昭和が終わりました。その後の世の中は、皆さんご存知の通り、海王星や天王星の時代でした。一つ前の時代より、ビジネスマンや難民や旅行者が数多く国境をこえて行き来して、ゲームやアニメーションに見られる幻想の世界はメディアに溢れ、インターネットが人間の手足のようになり(または隷属して)、さらに機械化が進み、人工知能も発達しました。そして、これらの産業は混ざり合い発展しています。
しかし、今回の土星の山羊入宮はずっと穏やかなアスペクトです。天皇陛下が混乱を避けるため、退位されることを希望したことからも、世代交代が前回より緩やかに、意思を持って行われることが象徴されていると思います。
身近な例では、バブル崩壊の時期に株価の下落などで痛手を被った一つ前の世代から、バブル崩壊を体験していない世代に個人株主の層が入れ替わりつつあり、NISAなどの後押しもあり、個人投資家が徐々に増えています。
そして、1989年や1990年と言うとワインの当たり年だなとも思いました。当たり年と言うのは天候に恵まれよく熟した、糖度が高く濃厚な葡萄がとれた年を指します。ワインは、はずれ年だからといってまずい訳ではありません。しかし、はずれ年やブレンドしたワインを長く寝かせておいても味わいは向上しません。グリセリンやタンニンなどの天然成分を多く含み、アルコール度が高く長期熟成に耐える濃厚なワインは、時間をかけて熟成することで、苦みや青さが、深みとなり、まろやかに調和を持った高級ワインとして成長します。液体の中で個性が響きあう様はオーケストラや星空のようです。
これは、人間の成長に似ていると思います。
30年前、光GENJIのバックダンサーを勤めていたSMAPのメンバーのことを思い出しました。私はテレビ自体余り見ない子供でしたが、姉がアイドル好きでなんとなく見ていました。
光GENJIは、土星が射手座のときに結成され、ローラースケートでアクロバティックなパフォーマンスをして注目を浴び、瞬く間に人気が出たグループです。SMAPは、土星が山羊座の時期に結成されました。私が最初に彼らに興味を持ったのは、新春隠し芸の番組でした。他の芸能人とくらべると本当に一生懸命で、地道に頑張っていて、応援したくなりました。最初は余り売れず葛藤の中、それまで格好をつけてアイドルがやって来なかったようなジャンルに挑んでいく新しいアイドルでした。彼らは長期熟成に耐えて、解散してもそれぞれの分野で活躍しています。
安室奈美恵さんも、この時期にスーパーモンキーズが結成されて、人並み以上に努力されて、初期からの確たる自分のスタイルというものを貫いた平成を代表する歌手ですね。
土星はメンテナンスの星でもあるので、弱っているところは強化して、強いところは弱める作用があります。また、物事の終着点でもあります。ですから、土星が指し示す分野を強化したりまたは弱めたりして自分の骨子となる部分を見直せば、結果としては人生が安定します。
トランシットの土星は、自分の出生図に重ね合わせて、どこのハウスを進行しているかが重要です。私の場合、8ハウスでは子供のお世話などで家から出られず家族と密度の濃い時間を味わい、家族との新しい生活のスタイルを築くことができました。9ハウスでは占いの学びをさらに深めたり、心理学の勉強のため大学に入り勉強と課題漬けの日々を送って、私にとっての占いのスタイルがどういうものかが見えてきたように感じます。もう少しで、10ハウスに入るので、9ハウスで得た学びや着想を元に皆様に喜んでいただける仕事をして頑張っていきたいなと思っています。
私の前回の山羊座土星の時期はどうだったかなと振り返ると、私は人と喋ることが苦手で無口な子供でしたが、この時期に「こんな人生ではつまらない」と思って自分の思っていることを話すようになりました。ここで私の人生は変わって、大人になって占いなど、人と話すことで仕事をするようにもなりました。出生図の10ハウス近くに惑星がなく、個人天体のオポジションもないため、普段は世の中に自分を押し出すことをしようとしません。また、5ハウスに金星と土星が共にあり、人生を楽しむことに抵抗がありました。そんな状態でしたが、10ハウスのt土星とn太陽のオポジションが葛藤を生み、その後の29年間、世間に見せる自分のスタイルができたと思っています。普段自分が苦手としていることに関係しているハウスにトランシットの土星が巡ってきた時は、克服するチャンスだと思います。前回の経験から、私にとって山羊座の土星は自分の世間と向き合う核となるスタイルを作る時期だと思います。今回も頑張ります。
お店日記の私の担当は、今年はこれでお仕舞いです。
今年の秋から毎週木曜日、ウラナイトナカイでお昼の部担当になり、皆様方には本当に大変お世話になりました。ありがとうございます。
良いお年をお迎えくださいませ。
(2017年12月21日 ウラナイトナカイお店日記より転載)