私は出生図に海王星とのアスペクトが多く、海王星を使う機会が生まれてから比較的多かったためか(月と海王星がトライン)、海王星によって災厄がやってきたと感じる機会はあまりなかったですが、鑑定していると災厄としかいえないことが起こっている方もいらっしゃいます。
しかし、個人は天王星、海王星、冥王星を自分の力ではあまり使えない場合が多いので無意識だったり外からの影響が大きく、受動的に感じます。世の中の流れや人々の考え方や夢や希望の傾向などに反映されているとも思います。
現在、海王星は魚座にあります。自分の治めるべきところにいるので、海王星は居心地がよく、状態の良い海王星です。こういう状態をDomicil(住まい)といいます。
海王星が海王星らしくふるまっていると思います。
闇雲に神秘的なことを信じる人が多いとも感じます。
ただ生きてここにある。ということも十分神秘的だと思うのですが、もっとふわふわした幻想めいたものをみつめているようにも感じたりします。
海王星は神話的な意味合いもあります。
漁師だったペテロが「人をすなどる漁師になりなさい」(ルカ5章10節)とイエスに諭されるシーンが急に浮かんできましたが、古代ローマにおいて迫害されていたキリスト教徒はイクトゥス(魚)のマークを地面に書いたりして、互いにキリスト教徒であるかどうかを確認していました。イクトゥスはキリストや信徒をあらわします。例えば、キリストがすべての受難がなく順風満帆に布教を行っていたらどうだろうと考えました。キリストの物語は凄惨な痛みをこえた先にあるものについて語っているともとれます。この話は、魚座を連想させます。
現在の世の中をみてみると、多くの難民が国をこえてヨーロッパ中に広がっています。
国の枠をこえて人々の日常にテロも起こっています。この浸食ともいえる国をこえた移動と殉教という名前の自爆テロは海王星的です。
反政府組織はシリアからトルコに拠点を移しつつある現在、ヨーロッパ中に火種が広がっていきそうです。チュニジア革命(2010年、海王星は改革の水瓶座)に端を発した、独裁政権を倒し民主化を進める一連のアラブ騒乱は、遅れて反政府デモが盛り上がりをみせたシリアでは泥沼の内戦になり、表向きは内戦ですが独裁政権、反政府組織、それぞれを支援する大国の思惑もからみ、国をまたいで深刻な状況になっています。こういう混沌とした状態も海王星のとらえどころのないところを反映しているように思えます。
昔「カリギュラ」という映画を見ましたが、ほかの暴力映画でも戦争映画でもいいのですが、幻想的ともとれる凄惨な暴力表現が映画にはよくあります。そういうものを見ただけでもショックを受けます。暴力も癒しも、他者を侵すということにおいて、海王星らしいふるまいに思えます。
この破滅的な流れがいつ終焉するのだろうかと誰もが思っていると思います。海王星が牡羊座に入る2025年春頃から流れが変わっていくと思います。
国際社会が協力して、責任ある政府をもう一度再構築し、そこに住んでいた人たちがもう一度安心して住めるようにしていかなくてはなりません。牡羊座的な献身と不屈のリーダーシップが必要なのだと思います。